90式 磁気羅針儀一型改 一操舵用 (羅針盤)

古いモノこれくしょん。
今回は自分の中ではとっておきの部類に入る逸品です。
興味の無い方にとっては、ただのガラクタだと思いますw
「90式 磁気羅針儀一型改 一操舵用」という大型羅針盤です。
なぜか英国で見つかった羅針盤です。
サルベージされたのか、日独伊三国軍事同盟に関係しているか不明ですが、大日本帝国海軍、駆逐艦クラス以上に搭載されていたものです。
もしかしたら、金剛と関係ある……かも?
重さは約10kgほどあります。
直径25cm
高さ16cm
本来封入してあるアルコールは入っていません。
どのような状況でサルベージ、または保存されていたのか不明ですがとても痛んでいます。
このまま保存すると劣化が進むので、お掃除してあげることにしました。

羅針盤は好きな部品なのいで色々見てきましたが、この模様は珍しいと思います。

同じサイズの一般的な羅針盤は、大体こんな感じの模様です。
ちなみに、この羅針盤は「大航計器製作所」の羅針盤です。
「布谷計器製作所」の羅針盤が欲しくて前にオークションで落札したのですが……、箱は欲しかった「布谷」ですが、中身が大航というオチでした。(大航の羅針盤がダメというわけではないですよ)
千円くらいだったので、返品せずこれはこれで愛でることにしてます。

話を戻して。
90式羅針盤の側面です。
どういうわけか、上部のネジが半分まで持ち上がってます。
軽くねじ込んであるわけではなく、固着しているので簡単には回りません。
そして鑑賞ポイントがここ三カ所にありますw

まずはメインの鑑賞ポイント。
プレートです。
「90式 磁気羅針儀一型改 一操舵用」という名がしっかりと確認できます。
メーカーは「東京計器製作所」現在の「トキメック」です。
年代は昭和15年。
そしてお馴染みの「○ト」=豊川海軍工廠と「錨」の刻印があります。

本体にも「豊川海軍工廠」の刻印があります。

もう一カ所、本体に「錨」と「豊川海軍工廠」の刻印があります。
これだけ刻印が揃っているのも珍しいと思います。
こういう部品は残っていたとしても、戦後に民間に再利用されたりするので、刻印が消されていたり、プレートが外されているのが多いです。また、プレートがアルミなので、劣化で無くなっているものもあります。
そういうガラクタの中からお宝を探し出すのも楽しいんですけどねw

正面の一カ所に小さく「東京計器」の刻印が入っています。
一般的な羅針盤には、盤面にメーカー名が入っていますが、この羅針盤では正面の一カ所だけに刻印があるだけです。
こういうのも、なんか特別感があってロマンを感じます。

ガラス容器は残念ながら割れてしまっています。

さっそく、お掃除しましょう。
まずはガラスを外します。
固着していたネジをCRCで緩めながらなんとか外せました。
そして、ガラスですが、コーキングが劣化して張り付いてしまったのか、なかなか外れません。
少しずつ時間をかけて外しました。

枠が外せました。

中の盤は尖っている部分に乗っているだけなので、簡単に外せます。

盤の裏は心臓部である棒磁石が二本付いています。
バランスをとるため、アルミか錫のロウが付いてました。

内部は簡単にゴミを吹き飛ばしてみましたが、なにかこびり付いてます。
ここは本来ならアルコールが入っている部分ですが、アルコールが蒸発しただけならこんなに汚れないと思うので、やっぱり海水が入ってしまったのかもしれませんね。

清掃するため、中央部分を外そうとしたら……。
ネジが割れてしまいました><
かなり劣化が進んでいたようです。
ここは弄らない方がよさそうです。

内部はシリコンのヘラで刮ぎ落とすことにしました。

最後は、汚れ落としと劣化防止のため、CRCマリーン用防錆防湿剤を塗って保護しました。
さて、今回はここまでです。
次回に続く!
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