フジカV2のレストア NO.1

最近、セミクラシックの大衆カメラが好き好き言っている自分ですが、そんなに好きなら、レストアできる機種を一台くらい持ってもいいかなと思い、色々と物色してました。
そんなとき、一目惚れしたのがこの子、
「フジカV2」
ジャンク品で1,000円でした。
1964年にフジフィルムから発売されたレンジファインダーカメラです。
レンズ鏡胴にヘリコイドを持たず、ピントは背面のダイヤル操作で行う少し変わったカメラ。
前面パネルに、フィルム感度ダイヤルと受光素子が付いているデザインも特長的です。
(前面ダイヤルの装飾カバーが剥がれてなくなっています)
レンズの評判もよく造りもしっかりしているので、隠れた名機と言われているようです。
その他に、もう一台、部品取り用のジャンクを500円で手に入れました。
この二つで、最悪ニコイチにしても直してあげたいと思います。
ちなみに、カメラ修理というスキルは自分にはありません……。

手に入れた個体は、本体横に落下へこみあり、シャッター不動、メーター不動、要するに使えないという状態。
レンズはゴミが沢山ありますが、傷やカビも少なく綺麗!
簡単な清掃で大丈夫そうです。

ファインダーも掃除すれば綺麗になりそうです。
でも、二重像は少し薄めです。この時代のカメラですので、許容範囲ですかね。
シャッターは動きませんが、レンズとファインダーが綺麗だったので、1,000円以上の価値はあると思います。

一番の問題箇所。
サイドがへこんでいます。
写真では大したことなさそうですが、実際は酷いです。
ゆがみのため裏蓋がしっかり閉まらず、また光漏れもあります。重症です。

叩き出してなんとかなるかと思ったのですが、蝶番まで歪んでいて、おまけに歪みで金属疲労もあるので、どうにもならんでした。
ここは無理せず、部品取り用に手に入れたジャンク機から移植することにします。

劣化してベトベトになったモルトの除去。
このモルトという物質は劣化するのがわかっていても、現在のカメラにも使われているんですよね。
この時代のカメラは内部遮光をモルトに頼っている機種が多いのですが、フジカV2は裏蓋のみに使われているので、好感が持てます。

さて、まずは、なにはともあれ、動かないシャッターを見てみることにします。
昔オールドレンズを掃除するために使っていた蟹目レンチで前からバラしていきました。

飾りリング、レンズ前玉と順調に外せました。
途中、クリックボールがあるので、なくさないように注意です。
家には妖怪パーツ飛ばしがいるので、慎重にw

外した前玉群を軽く清掃してみました。
目立った傷もなく綺麗です!

シャッター前のリングは、矢印のネジを半回転してロックを外し、楊枝で簡単に回ります。

前玉や枠を全て外すと、シャッターがむき出しになります。
矢印のクリック部分と○で囲ったバーが外れ安いので注意です。
○で囲ったバーは、セルフタイマーをシャッターに伝えるリンクバーですが、このバーが外れていると、セルフだけじゃなく、普通にシャッターが下りなくなります。
セルフのリンクだけだと思い外しておいたら、通常時もシャッターが切れなく原因を見つけるのに苦労しました。

シャッターをよく観察してみると、スローガバナー部分にグリスがこびり付いていたので、試しにベンジンを注入してみました。
すると、ジーという音と共にシャッターが動き出しました。
シャッター不調は、古いグリスのこびりつきが原因だったようです。
シャッター羽根も粘っているので、こうなったら羽根まで分解してみることにします。
メカが剥き出しだと不安なので、シャッター部はひとまず閉じます。

分解手順は正しくないですが、先にフィルム感度設定ダイヤルを外しました。
ちょうど、装飾カバーが外れていてネジが見えていたので。
ちなみに、このダイヤルを外さなくても軍艦は部は外れます。

フィルムの感度設定は、穴の開いた金属板を受光素子の前で回転させているだけで、電気的制御はありません。
こういうアナログちっくな仕組み、かっこいいですね。

エタノールを流し込みながら、ゆっくり張り革を剥がしていきます。

じょうずに剥けました~♪
残った接着剤を綺麗に除去。
このまま、フロント部を開けようとしたら、トップカバーが邪魔だったので、先に上を外すことにします。

蟹目レンチで巻き上げレバーを外します。

巻き戻しクランクを外します。
ただネジ止めされているだけ。
このカメラは、巻き戻しクランクが横にあるのも特長です。

このカメラの最大の特長、ピントダイヤルを外します。
最初、外し方がわかりませんでした。
まず、ダイヤルの芋ネジを緩めます。

そして、もう1カ所の芋ネジを緩めます。

そして、くるっと回すとこの通り!
まるでパズルですね。
あとはカバーのネジを外すだけでOK。

無事トップカバーが外れました。

ピントダイヤルを外します。

ダイヤルは手垢やほこりまみれでした。
そのままベンジンにドボン!
綺麗に洗います。

すっきり綺麗になりました。
きもちいいですね。

これで邪魔なくフロントカバーが外せました。
しかし、シャッターユニットを外すには、右上のファインダーと下のカバーも外す必要がありそうです。
結局、全部バラさなきゃです。

下のカバーを外しました。
右の電池室が液漏れで劣化してます。
案の定、弄っていると配線がポロリと外れました。しかも、どこかの内部配線も……。
さて、今回はここまでです。
次回、シッター羽根清掃までいければいいなと思います。
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