フジカV2のレストア NO.2

前回に引き続き、フジカV2のレストアです。
今回はシャッター羽根の清掃まで行いました。
誰得な記事ですが、まあ、備忘録的な感じなのです。
ボディーから内部ユニットを外すのに必要なネジを赤矢印で示しました。




計5カ所のネジを外すのですが、もう1カ所、ファインダーユニットを外さないとだめな所にもありました。
手順がいまいちバラバラですが、ファインダーユニットを外すことに。

ファインダーユニットを外しました。
ちなみに、二重像調整ネジは写真のとおり。
大衆カメラはコスト削減のため、ガラスのみで構成されているのが多いですが、フジカV2には豪華なプリズムが使われていました。
こんなところにもフジの拘りを感じます。

さて、ファインダーユニットを外すと、ヘリコイドに繋がるネジがあるので、これを外せば内部ユニットが本体と分離できます。
※先にバネを外さないとネジが吹っ飛びそうですね。
このネジは逆ネジなので注意です。

じょうずに分離できました~♪
ここで、気が付いたのですが、劣化した半田が取れ、どこに付いていたか分からない線が二本、机の上に転がっていました。
どこから外れたんだろう……。

続いて、内部ユニットからシャッターユニットを外そうとして問題発生。
裏玉が固着して外れない……。たぶん、専用の工具があるんでしょうね。
裏玉を外せば、シャッターを固定しているリングが蟹目レンチで回せるのですが……。
(裏玉枠に見える蟹目の溝は、レンズを固定しているだけですので外してもシャッターは外れません)

そこで、専用工具を作ることに。
近くのホームセンターで、本来の用途では絶対に買わないであろう粗悪な298円のラジオペンチを買ってきて、先端を万力で曲げてグラインダーで削りました。

これで、各部品にダメージなく、固定リングのみを回すことに成功!
おお、これは便利。

やっとシャッターユニットが外せました。

ユニットには本体と繋がる真鍮の棒(リンクバー)があります。
たぶん負荷がかかると、曲がったり折れたりしてシャッターを守る役割があるのかも。
レリーズの真鍮棒が邪魔になるのでここで抜かないといけないみたいです。

さらに分解していくと、シャッター羽根がバラバラと机の上に落ちてきました。
どう付いていたの!?
また、先に書いた、レリーズの真鍮棒を外さないで無理に分解したので、シャッターユニットから部品が外れてしまいました。
どちらにせよこの部品はポロリします。あと、チャージに使う部品も外れやすいです。

さて、苦労して外したシャッター羽根をベンジンにどぼーんします。
シャッター羽根はグリス、オイル、絶対にNGなので、しかり脱脂して綺麗に洗います。
絞り羽根のほうは、バラさなくても大丈夫そうだったので、ユニットごとベンジンにどぼーんしてがしゃがしゃ洗いました。

洗ったシャッター羽根に鉛筆の芯を削ってまぶします。
これで可動がスムーズになります。
オールドレンズのメンテでよくやってました。

羽根のベースにも鉛筆(マークシート用のシャーペンを使ってます)でぐりぐりと擦りつけて。
もちろん、付着した余計な粉はブロアーで飛ばします。

シャッター羽根を、元あった場所に……。
羽根は刃先が微妙に折られているのが2枚あります。最初と最後に使うようです。
上の番号のように組んでいきました。
最後の羽根は裏返して使うものだと判断……。
正しいのだろうか……。

無事シャッター羽根を組みなおし、外したリンクバー(真鍮の棒)は外すときに歪んだので、新たに真鍮線で作り直しました。
消耗品と考え、またメンテナンス性も考慮して8mm線を瞬間接着で固定しました。
※オリジナルは7~8mmの線の端を潰して、楔状にして打ち込んでありました。
なので、簡単には抜けませんでした。
瞬間接着剤のほうが、メンテの時に抜きやすいと判断。

シャッター速度ダイヤル枠にはオートEEのための抵抗がびっしり。
電気工作は無知ですが、美しいw
枠は簡単に外れるので、外して内部をグリスアップ。

各部を掃除して、適材適所をグリスアップ。シャッターユニットを戻して完成!
我ながらきれいになった!
今回はここまで。
次回は動くかどうかわからないオート機能の配線と最終調整に入りたいと思います。
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